はじめに
今回は,ランディングツール(タモ)についてお話します。
堤防やサーフからのライトショアジギングで,80cm以上のブリを20本以上,80cm以上のサワラも20本以上,80cm未満の中・小型の青物は100本以上釣り上げている筆者が,これまでの経験を元にショアジギングにおけるランディングツールについて解説したいと思います。
瀬戸内海での堤防からのライトショアジギングにおいても,大型の青物が釣れることは多々あります。
そんな時に,ランディングを失敗して後悔しないためにも,ランディングツール(タモ)はしっかりと準備しておきましょう。
良型の青物をヒットさせるまでなら,初心者でもできますが,それを自分でキャッチするには,それなりの準備とスキルが必要となります。一人前のショアジギンガーとになるためにも,良型の青物を自分でキャッチできるように,下の記事を参考にしてランディングのスキルアップを目指しましょう。
ランディングシャフト(タモの柄)の長さについて
まず,ランディングシャフトの長さについてですが,私は7mを推奨します。
なぜ,この長さを推奨するかですが,干潮時に足場の高い場所でランディングする際には,長さが必要であることと,一人でランディングする際には,立ったままの姿勢でランディングするには長い方が良いためです。
私のフィールドである瀬戸内海では,だいたいの堤防で6mもあれば海面まで届きます。しかし,1人の場合だと海面まで届くだけでは大型のブリ・サワラをランディングすることは困難です。
大型のブリ・サワラをランディングする際には,ランディングシャフトを脇に挟んで立ったままの姿勢で行えることが理想です。
シャフトのギリギリを片手で持って,しゃがみながらランディングするのと,シャフトを脇に挟んで立った姿勢でランディングするのと,どちらが取り込みやすいでしょうか?もちろん,後者の方です。
このような理由で私は7mのランディングシャフトを推奨します。
かくいう私も,以前は5.5mのランディングシャフトを使用しており,それを7mに変えたので,その経験を踏まえてのお話です。
筆者が現在(2023.2月)使用しているランディングシャフトは,「テイルウォーク キャッチバー改 700」です。
ランディングネット(タモ網)について
ランディングネットも色々とあると思いますが,深さが80㎝以上あるものを用意しましょう。
60㎝だと大きなブリやサワラが釣れた時に入りません。45㎝だと,もう話になりません。
瀬戸内海での堤防からのライトショアジギングでも80㎝超えのブリやサワラが釣れるチャンスはいくらでもあります。いざ,釣れた時に後悔しないよう,深さが80㎝以上あるものを用意しておきましょう。
また,ネットの入口(フレーム)が狭いと,特にミノー系のフックがネットの入口に引っ掛かって魚が入らない!ってことになってしまいますので,できるだけ入口も広いものがお勧めです。
かくいう私も(再),以前は深さ60㎝のランディングネットを使用しており,メーターブリが釣れた時に大苦戦し,結局ネットに入りませんでした。その時は幸いにも手が届く場所まで引っ張っていくことができたので,最終的にはフィッシュグリップを使ってハンドランディングして,なんとかキャッチできました。
それから,深さが100㎝のランディングネットに変更しましたが,それがわりと入口の狭いフレームだったので,ミノー系のフックがネットの入口に引っ掛かってしまい,ランディングできないってことを何度か経験し,今はメジャークラフト・ヘキサネット(L)を使用しています。
このヘキサネット(L)は,青物をランディングするにはとても良いと思います。サワラもランディングしやすいので,おすすめです。(M)だと青物に対しては小さいので,必ず(L)にしましょう。
メジャークラフト・ヘキサネットLは大人気のため,売り切れていることが多いので,お手持ちのランディングネットのフレームに,ネットだけをメジャークラフト・ヘキサネットLのスペアネットに取り替えるという方法もあります。この方法はお財布に優しいですよ😄 もし,上のリンクをクリックして売り切れていなかったら,すぐに購入することをおすすめします!
私はメジロクラスでもリリースすることが多いのと,朝まずめのチャンスタイムに1本釣れる度に魚を締める作業はせずストリンガーで活かしておき,時合(ジアイ)が終わってから締める作業を行うため,ギャフは使いませんが,抜き上げができない大きさの魚は全て持ち帰ると覚悟を持っている人はギャフも良いかと思います。特に90cmを超えるサワラをタモでランディングするのは,慣れていないと難しいと思いますので。但し,くれぐれもリリースする魚をギャフでランディングしないようにお願いします。
SNSのフォローをよろしくお願いします!
良型の青物をバラさないために
先にも述べていますが,初心者の方にも良型の青物がヒットする可能性は十分にあります。しかし,せっかくヒットした良型の青物も,バラしてしまっては元も子もありません。
よく,「逃した魚は大きかった」と言いますが,逃した魚がたまたま大きかったのではありません。「大きな魚ほど,逃しやすい」のです。
それでは,良型の青物をバラさずにキャッチするために必要なことについて解説します。
準備
良型の青物をキャッチする(釣り上げる)ためには,それなりの準備が必要で,準備とは,ロッド,リール,ラインシステム,スナップ,ランディングツール,フック交換,これらのタックル全般と,そのメンテナンスです。
最低限,「ランディングツール」,「ラインシステム」,「フック」は,対青物用にしてください。
ランディングツール
足場の高い堤防で80㎝以上のブリを抜き上げることはできません。80㎝オーバーの青物がヒットした時を想定したランディングツールを準備してください。タモの場合はタモ網の深さが80㎝以上あるものを用意してください。そもそもタモに魚が入らないのであればランディングはできませんので,青物用のランディングツールの準備は必須条件です。
ラインシステム
例えば,エギング用のPE0.6号にリーダー2号のラインでブリクラスがヒットした場合,キャッチするのは相当難しいでしょう。また,PEラインを2.0号,リーダーを40LBにしたとしても,強度の低いノットでは意味がありません。強度の高いノットをマスターすることも必要です。私は,PEラインとリーダーはFGノット,スナップにはダブルクリンチノットにしています。
ノットの方法については,こちらを参照してください。「VARIVASノット大図鑑」
フック
元々シーバス用に開発されたルアーで青物を狙うこともあります。シーバス用のルアーのフックは細いため,良型の青物がヒットすると伸ばされてフックアウトしてしまいますので,交換が必要です。純正のフックサイズが#6~#5のルアーの場合は,Hタイプのフックに交換した方が良いでしょう。#6のMHでは,良型青物に伸ばされてしまいます。
フッキングについて
青物をバラさないためには,しっかりとフッキングを決めることが大切です。フッキングはロッドを上に向けてしっかり決めるのが鉄則です。向こうアワセではフックは引っかかっているだけで,食い込んでいません。特に青物用の太軸のフックを食い込ませるためには強いアワセが必要です。
初心者の方がせっかくヒットした青物をバラしてしまう要因の一つが,フッキングが決まっていないことです。突然の青物の強烈な引きにびっくりして,アワセを入れないままやり取りを開始してしまい,ランディング前のエラ洗いでバレるパターンが多いです。
青物がルアーにバイトした時,しっかりと口の中にルアーが入っていなかったとしても,アゴ付近にかかったフックを上方向にアワセを入れることで,しっかりとフックを食い込ませることができます。アタリを感じた時,ルアーのフックが魚の頭側(上側)に刺さっていることはほぼありませんので,フッキングは上方向にしっかりと決めることが鉄則です。
ジャークの途中でアタリがあった時も,とりあえずジャークと同じ方向でアワセを入れてから,再度上方向に追いアワセをしっかり決めてください。よく,「サワラは口が柔らかいので,ドラグは緩めで」と言われる方がおられますが,フッキングの時のドラグはキツめの方が良いです。そもそも,フッキングの時点でサワラかブリかを見極めることは困難です。青物を狙っていてアタリがあったら,とにかく鬼アワセしてください。
フッキングの際にドラグがジャーっと滑るようであればフッキングは決まっていません。時々,メディアでも見かけますが,ボートでヒットしたサワラをランディング直前のエラ洗いでバラすシーン。この原因のほとんどがフッキングが決まっていないことです。最初からドラグの設定がゆる過ぎるか,向こうアワセのまま追いアワセを決めていないかです。
ドラグの調整について
フッキング時のドラグはキツめの方が良いと書きましたが,ランディングする時(魚が手前まで寄ってきた時)のドラグは,少し緩めの方が良いです。
なぜ,緩めの方が良いかというと,なるべくエラ洗いをさせないためです。釣り人(ロッド)と魚(フック)の距離が近い時のエラ洗いはバラしの確率がグンっと上がります。とは言っても,ラインテンションは絶対に緩めないようにしてください。岸際で魚が走った際に,エラ洗いはしない程度にラインが出るけど,走らせすぎないといった,ドラグのさじ加減が必要です。エラ洗いしたとしても,ガチガチのドラグよりも,適度にドラグを緩めた方がラインテンションも抜けにくく,バラす確率もグンっと下がります。
また,ブリは空気を吸わせてからランディングした方がタモに入れやすいですが,サワラはなるべく海面から頭を出させないままランディングすることがコツです。サワラには浮き袋がありません。浮き袋のあるブリは,空気を吸って弱ると海面で魚体が横を向きますが,サワラは,完全に弱りきると,海面で頭だけ出して縦になります。縦になった90㎝越えのサワラを一人でランディングするのは,かなり難しいです。
ランディングツールの置き場所について
私は釣り始める前に,大型青物をランディングすることをイメージしてからキャストします。(この高さでランディングネットは届くか?とか,魚を寄せてくるまでに障害物はあるか?など)
初めての場所で海面までの高さに不安がある場合は,キャストの前にシャフトを伸ばして届くかどうかを確認します。シャフトを伸ばしてみて,ランディングが不可能と判断した場合,私はキャストしません。目の前でナブラが湧いていたとしてもです。(誰にも迷惑をかけることなく階段等がある場所まで引っ張って行ける場合はキャストしますが😅)
何故かというと,例え青物がヒットしたとしても,ランディングができなければ最終的にはラインが切れてルアーをロストすることになります。そしてロストしたルアーは,ヒットした青物の口にかかったままになってしまいます。それは釣り人にとっても,魚にとっても良いことではないからです。
話をランディングツールの置き場所についてに戻します。キャストする前にランディングのことをイメージできたら,大型青物をヒットさせたとき,ランディングツールをどこに置いておけば取りやすいかを考えるようになります。
高い場所で釣っているのに,低い場所に転がしていたら届きませんし,車に置きっぱなしなんで論外ですね。ランディングツールは自分が取りやすい位置に置くようにしましょう。
まとめ
繰り返しとなりますが,瀬戸内海でのライトショアジギングでも80㎝超えのブリやサワラが釣れるチャンスはあります。投げて巻くだけで釣れるルアーもたくさんありますので,初心者の方にも大物がヒットする可能性は十分にあります。
しかし,ヒットした魚をキャッチするためには,必ずランディングツールの準備が必要となりますので,後悔しないようにしっかりと準備をしておきましょう。ブリクラスの大物をランディングで捕り逃がしたら,3日ほど寝つきが悪くなってしまいますよ。
自分が青物用のランディングツールを持っていない場合は,持っている人と一緒に釣行しましょう。
ランディングツール無しで青物に挑むことは,周りの釣り人に迷惑となる行為なので,やめた方が良いでしょう。時々,エギンガーの釣り人さんが,ナブラを見てエギングロッドのままランディングツール無しでエギをメタルジグに付け替えてキャストされることがあります。気持ちは分かりますが,青物がヒットしてもキャッチできないので,やめておきましょう。
釣り過ぎダニエル
おすすめの記事はこちら!