はじめに
注)この記事はショアジギング,ライトショアジギングの初心者の方にも分かりやすく解説しているため,ボリュームがあります。ページ数は4ページありますので、自分が気になるところだけをご覧になりたい方は、目次のタイトルをクリックしてください。
それでは,本題に入ります。
太平洋沿岸部や日本海沿岸部はもちろん,瀬戸内海の堤防やサーフからでも,80㎝超えのブリやサワラが釣れるチャンスはいくらでもあります。(私のブログの釣行記は全てショアからの釣果です。) →釣行記はこちら
ショアジギングにおいては,キャストの技術さえあれば,初心者の方でも良型の青物をヒットさせるところまでならできます。巻くだけでヒットする優秀なルアーが沢山あるからです。
但し,良型の青物をキャッチする(釣り上げる)ためには,それなりの準備が必要となります。
準備とは,ロッド,リール,ラインシステム,スナップ,ランディングツール,フック交換,これらのタックル全般と,そのメンテナンスです。
良型の青物をキャッチするイメージができず,この準備を怠っているうちは,いつまで経っても初心者のままです。しっかりと準備ができて,やっと中級者です。
アジングやエギングのライトゲーム歴が10年以上でも,ショアジギングの準備ができていない人は,ショアジギングについては初心者です。私も最初はそうでした。
特に,ランディングツールの準備をせずに青物に挑むことは,周りの釣り人に迷惑をかける行為なので,やめてください。
青物を狙う時は,キャストする前にランディングのイメージをしておきましょう。
タックルについて
ロッド
まず,ショアジギング専用ロッドを使用することを推奨します。硬めのシーバス用のロッドならまだ良いですが,エギングロッドは柄が短いため,良型の青物がヒットした場合,青物の強烈な引きを腕力だけで耐えるようになるので,かなりキツいです。(経験済み)
ロッドの硬さは色々ありますが,堤防やサーフでハマチ,ブリ,サワラを狙うのであれば,M~MHで良いでしょう。ロックショアなどで,ヒラマサ,カンパチを狙うのならH~XHが良いでしょう。
ロッドの長さについては,使用方法やシチュエーションなどによって,投げやすい長さが変わります。おおまかに説明すると下記のとおりです。
9.6f(2.90m)の長さが良い人
- ルアーフィッシングが未経験の人
- メタルジグ(ブレードが付いていないジグ)をジャークする時間が,プラグ系のルアーを投げる時間よりも多い人
10.0f(3.05m)の長さが良い人
- ある程度ルアーフィッシングの経験がある人
- メタルジグとプラグ系のルアーを,両方とも使いたい人
10.6f(3.20m)の長さが良い人
- ルアーフィッシングの経験があって,飛距離優先の人
- プラグ系のルアーとブレード付きメタルジグを主に投げる人
- メタルジグをジャークすることがほとんどない人
お勧めのロッドは,
低価格ならシマノ・21 コルトスナイパーBB
予算に余裕があればシマノ・20 コルトスナイパー XR
軽さを重視するなら,メジャークラフト・21 クロスライド 5G
ロッドの予算が5万円位あれば,どこのメーカーのロッドでも間違いはないでしょう。好みのメーカーを選んでください。但し,ロッドのパワーについては,「大は小を兼ねる」的な考えで,ロックショアでヒラマサやカンパチを狙うわけでもないのにHクラスのロッドを初心者の方がいきなり購入することは,お勧めできません。
後述の「ルアーについて」でも書いていますが,ロッドには適正のルアー重量があります。Hクラスのロッドでは,80g程度のダイビングペンシルをかっ飛ばすことはできますが,26gのセットアッパー125は投げにくいです。また,Hクラスのロッドで80g前後のルアーをキャストするのと,Mクラスのロッドで30~40G前後のルアーをキャストするのでは,体への負担や疲労度が全く違います。
ショアジギングは,どれだけキープキャスト(キャストし続ける)できるかで釣果が変わります。心が折れず,キープキャストできるタックルを選ぶことも釣果を伸ばすためには大切です。
コルトスナイパー XRの場合だと,堤防から90cm位までのブリならMでも十分に戦えます。
シマノ(SHIMANO) コルトスナイパーBB S100M
ショアジギングロッドとしての基本性能を高次元に備えたコルトスナイパーBB。ブランクスにはネジリ剛性を高める強化構造ハイパワーXを搭載し、ショアジギングシーンで求められる遠投性・操作性・パワーにおいて高いパフォーマンスを発揮している。
シマノ(SHIMANO) コルトスナイパーXR S100M
ショアジギング&プラッギングゲームに求められる「遠投性・軽さ・シャープさ・パワー」のベストバランスを求めた本格ロッド。高精度のキャストと操作性、大型青物とのファイトでは安定したリフトパワーを追求。さらなる高強度化をもたらす基本構造スパイラルXコア、継部の固定力を高めつつ外しやすさも両立したスクリューロックジョイントなど、シマノならではのテクノロジーによってロッド性能が飛躍的に向上している。
メジャークラフト(Major Craft) クロスライド5G 1002M
魚に主導権を取られてはいけないショアジギング。ロッドのパワーとトルクに重点をおいて開発した本格ジギングロッド。ティップ・ベリー・バットセクションそれぞれにパワーとトルクの重点配分を見直して設計したR360構造を採用。一日中キャストとジャークを繰り返すショアジギングにおいて軽さとブレの少ない事は、アングラーにとって重要。少ない回遊のチャンスをものにするために投げ続けられて戦える本格次世代ショアジギングロッドが「クロスライド5G」。
リール
リールは,堤防やサーフでハマチ,ブリ,サワラを狙うのであれば,4000番から6000番で良いでしょう。
ロックショアなどでヒラマサ,カンパチを狙うのなら8000番以上が良いでしょう。
ショアジギングで使用するなら,ギア比はハイギアモデルがおすすめです。
お勧めのリールは,シマノ・24 ストラディックSW
予算に余裕があれば,シマノ・21 ツインパワー SW
ML~Mクラスのロッドには4000XG,MHクラスのロッドには5000XG~6000XGが良いでしょう。
今年(2023),ストラディック(SWではないスタンダードモデル)の新型が発売予定です。とてもコストパフォーマンスが良さそうなので,こちらを待ってみても良いかも知れません。但し,6000番以上のラインナップはありません。(4000XG,C5000XGはあります。)詳しくはこちら
シマノ 24 ストラディックSW 4000XG (300g)
上位機種に引けを取らないパワーとタフネス、防水性能を装備して過酷なソルトシーンを攻め抜いてきたストラディックSWが適材適所の進化を遂げてついにリニューアル! ライトソルト対応の4000番は評価の高い23ストラディックをベースに、インフィニティクロス、インフィニティドライブ、アンチツイストフィンを投入してギアの耐久性向上やライントラブルの抑制などさらなる使い心地を追求!
シマノ(SHIMANO) 21ツインパワーSW 4000XG
ソルトゲーム用のリールに求められる「強さのカタチ」は実に多様だ。ハードな使用にも耐える剛性感とタフネス、海水の侵入を防ぐ強固な防水性能、そして何よりも求められるのは巻き上げのパワー。ツインパワーSWはインフィニティドライブ、ヒートシンクドラグなどステラSWの強さを受け継ぐ機構を惜しげもなく搭載。※4000番からインフィニティドライブを搭載している。
ラインシステム
メインラインはPE(200ⅿ~300ⅿ)を使用します。
堤防やサーフでハマチ,ブリ,サワラを狙うのであれば,PE1.2号~2.0号で良いでしょう。
メーカー品の8~12本撚りを選ぶことをお勧めします。
私は,1.0号~2.0号を試してみて,今は1.5号を使用しています。ちなみに,1.0号でも80cmのブリをキャッチしていますが,リーダーとのバランスや根がかりした時の高切れのリスクを考慮して,1.5号にしています。
お勧めのPEラインは
バリバス(VARIVAS)・アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X8
エックスブレイド(よつあみ)・ スーパージグマンX8 300m
フルスペック技術を惜しげもなく投入した、コストパフォーマンスの高いHigh Power PE ラインです。 圧倒的安定強力を約束する独自技術WX組工法を用い、ハイテンション高密度ピッチで製紐しHST加工を施すことにより、耐磨耗性・直線性・ 感度・強力を進化。 あらゆる近海スタイルに高次元で対応。
バリバス(VARIVAS)・アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X8 300m
初代10×10(テンバイテン)の発売以後20年以上に渡り、ジギングアングラーから高い支持を得るハイクラスモデル。オリジナルの特徴である10mごとに10色で切り替わるマーキングを採用することで、いかなるレンジにおいても正確にターゲットゾーンへ導く。大物を想定したマックスパワー原糸の8本撚りPEは強く、耐久性も高い。また、高強度でありながら魚に見切られない細さもベストセラーである由縁。
シマノ(SHIMANO)・ピットブル12 200m
12本編みのPEライン。東洋紡(株)の登録商標であるIZANASは、高分子量ポリエチレンを素材とした高強度、低伸度PEライン。繊維が細く、質感も滑らかなソフトタイプ。ラインの表面抵抗が滑らかなので、放出抵抗が少なくキャストの飛距離に貢献。締め込みながらラインを疎編みする「タフクロス2」採用。低伸度で耐摩耗性が高い。表面が滑らかになる「VT工法」と組み合わせることで、強度が安定。耐久性も高くガイドトラブルやバックラッシュもしにくい。
PEラインには,釣行前にコーティングスプレーを使用することをおすすめします。ラインの長持ち,飛距離,ライントラブルの軽減につながります。安価なものでも良いので,こまめにコーティングすることをお勧めします。
バリバス(VARIVAS)・PEにシュッ! 320ml
ラインが巻かれているリールスプールに直接噴霧するだけで、「動摩擦係数」が約31%軽減(バリバス検証結果)。飛距離性能が大幅に向上することはもちろん、ラインの劣化を予防し、耐久性もアップ。つまり、ライン寿命を延ばすことにもつながっている。とくに、PEラインは使用していると、どうしてもケバ立ってしまうが、ケバ立ち予防にも効果的。
リーダーは25LB~40LBを使用します。サワラがメインターゲットの場合,サワラの歯で切られるリスク(サワラカッター)が高くなるので,35LB以上をお勧めします。
お勧めのリーダーは
サンライン(SUNLINE) ・ソルティメイト システムショックリーダーFC
リーダーの長さを120㎝程度にして,キャストの際に結び目がガイドに入らないようにするとライントラブルが激減します。但し,ロックショアでヒラマサやカンパチを狙う場合は120㎝では不十分と思われます。
FGノットなどの編み込み系ノットは,柔らかいリーダーとの相性が悪いように思います。もし,しっかりと編み込みをしていても,すっぽ抜けるようなことがある場合(焼きコブを作らないといけない場合も同様)は,リーダーを変えてみることをお勧めします。同じようにFGノットを組んでも,リーダーが変われば,すっぽ抜けの発生も変わります。私は,某有名メーカーのリーダー(フロロカーボン)を使用して,すっぽ抜けが多発した経験があります。サンライン(SUNLINE) ・ソルティメイト システムショックリーダーFCにしてから,すっぽ抜けはありません。(焼きコブも作っていません。)
サンライン(SUNLINE) ・ソルティメイト システムショックリーダーFC
鋭い歯・岩礁・ファイト中等でも傷がつきにくい耐摩耗性に優れたフロロカーボンリーダー。ダメージを最小限に防ぐ。ジグ・ルアーへのアクション伝達・フッキングさせるパワーを十分に生かせる初期低伸度設計。 フロロカーボンでありながら、しなやかなで粘りのある糸質で過激なショックも吸収。またノットの完成度も向上。表面の凹凸を低減させる並行巻を採用。
PEとリーダーの結節は,FGノットをお勧めします。FGノットが難しい場合は,第一精工のノットアシスト2.0を使用すれば,簡単にFGノットを組むことができます。慣れると風の強い釣り場でもノットを組むことができます。
時々,ノットアシスト2.0を使用すると,きつく編み込めないと言われる方がおられますが,おそらくラインが滑っているのだと思われます。ノットアシスト2.0にラインを巻き付けて固定する際,1回だけでなく,2回以上巻き付けてください。(PEラインとリーダー両方とも) ※特にアジングなどで使用する細いラインは滑りやすいので,3回以上巻き付けた方が良いです。
私は,ノットアシスト2.0を使用して,編み込み回数を18~20回+ハーフヒッチ8~10回+エンドノット3~4回にしています。
FGノットは,編み込み回数が12回からは,いくらやっても強度は上がらないとの検証結果もあるようですが,12回で終わらせると,ノット部分が「く」の字になりやすいように思います。18~20回位編み込むと,「く」の字になりにくいようです。
第一精工・ノットアシスト2.0
誰でもカンタン!確実!スピーディ!にPEラインの編み込みができるアシストツール。スイッチ式波型ラインフックとオフセットアームで、PEラインとリーダーをFGノットで簡単、確実、スピーディに結束できます。携帯時にはアームを閉じてコンパクトに収納できる。0.3~6号のPEライン、3lb~70lbのリーダーの結束に対応。
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スナップ
スナップは青物の引きにも耐えられる強度のあるものを使用します。
ショアジギングでは,青物のチャンスタイムが短いため,ルアーチェンジを素早く行いたいので,私はスナップを使用します。
お勧めのスナップは
ACTIVEのルアースナップ・ストロング2号(強度31.5㎏)
私が釣った青物で,このスナップが伸ばされたことはありません。
ランディングツール
ランディングツールの準備は,良型青物を狙うためには必ず必要です。ランディングツールの準備は絶対に怠らないようにしてください。
まず,ランディングシャフトの長さについてですが,私は7mを推奨します。
なぜ,この長さを推奨するかですが,干潮時に足場の高い場所でランディングする際には,長さが必要であることと,一人でランディングする際には,立ったままの姿勢でランディングするには長い方が良いためです。
私のフィールドである瀬戸内海では,だいたいの堤防で6mもあれば海面まで届きます。しかし,1人の場合だと海面まで届くだけでは大型のブリ・サワラをランディングすることは困難です。
大型のブリ・サワラをランディングする際には,ランディングシャフトを脇に挟んで立ったままの姿勢で行えることが理想です。
シャフトのギリギリを片手で持って,しゃがみながらランディングするのと,シャフトを脇に挟んで立った姿勢でランディングするのと,どちらが取り込みやすいでしょうか?もちろん,後者の方です。
このような理由で私は7mのランディングシャフトを推奨します。
ランディングネットも色々とあると思いますが,深さが80㎝以上あるものを用意しましょう。
60㎝だと大きなブリやサワラが釣れた時に入りません。45㎝だと,もう話になりません。
堤防からのライトショアジギングでも80㎝超えのブリやサワラが釣れるチャンスはいくらでもあります。いざ,釣れた時に後悔しないよう,深さが80㎝以上あるものを用意しておきましょう。
また,ネットの入口(フレーム)が狭いと,特にミノー系のルアーのフックがネットの入口に引っ掛かって魚が入らない!ってことになってしまいますので,できるだけ入口も広いものがお勧めです。
お勧めのランディングネットは
ジャークラフト・ヘキサネット ワンピースタイプ サイズ(L)
メジャークラフト・ヘキサネットLは大人気のため,売り切れていることが多いので,お手持ちのランディングネットのフレームに,ネットだけをメジャークラフト・ヘキサネットLのスペアネットに取り替えるという方法もあります。この方法はお財布に優しいです。もし,上のリンクをクリックして売り切れていなかったら,すぐに購入することをおすすめします!
私はメジロクラスでもリリースすることが多いのと,朝まずめのチャンスタイムに1本釣れる度に魚を締める作業はせずストリンガーで活かしておき,時合(ジアイ)が終わってから締める作業を行うため,ギャフは使いませんが,抜き上げができない大きさの魚は全て持ち帰ると覚悟を持っている人はギャフも良いかと思います。特に90cmを超えるサワラをタモでランディングするのは,慣れていないと難しいと思いますので。但し,くれぐれもリリースする魚をギャフでランディングしないようにお願いします。
用意してあるランディングツールを見れば,初心者か熟練者かすぐに分かってしまいます。ブリやサワラを釣り上げたことがある人,良型の青物のランディングを想定できている人は,それなりのランディングツールを必ず用意しています。初心者の方は,青物がヒットした後のこと(ヒットしてからランディングまで)を想定できていないので,ランディングツールの準備をおろそかにしがちです。
青物を狙う時は,キャストの前にランディングのことまで想定し,必ず自分の手の届く位置にランディングツールを置いておきましょう。ランディングツール無しで青物に挑むのは,周りの釣り人に迷惑となるので,やめた方が良いでしょう。
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